大津ススヌのドドド底辺日記

金なし、人脈なし、社畜ゆえに時間なしの3連コンボを備えたドドド底辺人間による漫画日記(たまに文だけも)。底辺日常を気ままに漫画にして描いていきますのでよければ読んで下さいませ。

漫画連載経験者が漫画家の収入の仕組みをぶっちゃける【原稿料は?印税は?】


ホントに一握り中の一握りだけど漫画家は当たるとマジで凄い(笑)


以前書いた漫画家アシスタントの記事がこのブログにしては反響が大きかったので、そういうのを書きたいなーと思いつつ中々書けませんでしたが
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今回は連載漫画家の収入の仕組みを説明しようと思います!


お金事情は興味がある人が多いと思いますし、印税とか原稿料とか聞いたことはあると思いますがピンと来ない人が多いのではないでしょうか? 


一応自分は商業漫画雑誌での連載経験があり(死ぬほど人気取れなかったけど。。笑)
アシスタントを含め長年漫画業界にいたので、年数は経っているものの、さほど変化はないでしょうし、リアルな話ができるのではないかな、
と思っております!


あくまで商業漫画雑誌での連載漫画家の話です。
また、自分の経験から語ってるだけなので、時代、人によって違う可能性もありますので参考程度に聞いていただければなーと思っとります。


業界を敵に回さない程度にかかねば(笑)


連載漫画家の給料はどうなってるの?


というわけで商業誌連載漫画家の収入事情をざっくりと説明しますと、大きく分けて


漫画の原稿料

漫画単行本の印税


が大きなメインの収入になります。


また、自分は大手の出版社で連載していたので、連載が決まったら契約金のようなものを年1でまとめてお金で頂いていました。
作家が他の雑誌に行かないように、専属契約金を出す所もありますね。


また、連載が始まるまでの準備期間も原稿料が発生しないので、研究費として毎月ある程度のお金を頂いていました。


ただこういった契約金や、専属契約金といったのは一部、大手出版社でよく聞くシステムで、他の出版社であれば発生しないのは普通です。
(小さいところでもなくはないが稀)


また、漫画作品のメディア化、アニメ化、グッズ、ゲーム等など。。
漫画以外のメディアに作品が派生した場合、様々な形で収入が得られる事になります。


とある有名漫画家さんが言ってましたが
「アニメ化自体はそんなに金にならないけど、それで発生するグッズの収入が凄い」というのを聞いたことあります。


本当かはわかりませんが、人気作になればなるほど様々な収入が得られる夢がある仕事というのは間違いないでしょう!


まぁ、これは売れたらの話で基本は印税と原稿料の二本柱が連載漫画家の収入の基本となります。


漫画原稿料はどうなってるの?

漫画家にとって原稿料はまさに、会社員の基本給のようなもの。


1ページ○円と設定され、雑誌に掲載されたページ数分原稿料がもらえます。
カラー原稿は原稿料が上がります。


なので一話が20ページで、作家のページ単価が1ページ1万円だった場合

1万円×20=20万円

となるわけです。


週間で1話20ページ描いてて、月4話分書いた場合
1ヶ月の原稿料は
80万円となります!!


これだけ聞くとすげー儲かるじゃん!と思えますが、漫画家は個人事業主なのでこの収入から経費としてアシスタントを雇ったり、大きい仕事場を借りたりするので単純に儲かる、という話では全然ありません。


また、原稿料が払われるのは雑誌に掲載されたページ分のみなので、原稿に入る前にネームという下書き作業のようなものがありかなり描き直しが発生しますが、これを100ページ、200ページ書いたとしてもネームには一切原稿料は出ません。


ボツになった原稿もでませんし、例えば連載準備に1年かかった場合、準備期間は雑誌に掲載されないので無給となります。(救済処置がある出版社もありますが)


シビアですねぇ(笑)


漫画家の原稿料はどれくらいもらえるの?

これもピンキリですが

新人の場合
1ページあたり
5000円〜1万位が自分が感じてきた相場かなぁと思っています(あくまで自分体感)


自分がやっていた出版社は1万円スタートでした。
ただ大手でなければこれより下がる傾向が強く、低くて5000円というのも聞いた事あります。


某超有名海賊漫画やってるスーパー少年誌は、「バクマン。」という漫画家を題材にした漫画で、新人9000円スタートと書いてありましたが、その後業界最高まで上がったとか、上がってないとか。。
ホントの所どうなんでしょう?(笑)

そしてそこからキャリアを重ねていって原稿料が上がっていくという形になります。
この辺は会社員と似てますね!


都市伝説的に

あの手塚治虫大先生の原稿料が10万円だったのでそれ以上原稿料が上がる事は絶対ない。

というのを漫画業界にいた時によく聞きました。
ホントかどうかは分かりませんが、そもそも1ページ10万の時点でとんでもない額過ぎて訳わかりません(笑)
10ページ書いたら100万じゃないですか!(笑)


ベテラン漫画家さんと話すこともありましたが
「原稿料いくらでやってるんですか?」
なんてアホな事聞けるわけもないのでブラックボックスです(笑)


漫画単行本の印税ってどうなってるの?

さて、ここで第2の漫画家のメイン収入の漫画コミックスの印税のお話です。
今や漫画単行本は本だけでなく、スマホなどで電子書籍としても一般化していますね。


当然ながら連載漫画家はストーリーが進めばコミックスが刊行されます。
(早期打ち切りなど収益が見込めない場合、単行本が出ない事もなくはない)


そして発行された部数に応じて印税が支払われます。
その印税率はというと。。


一般的には10%といわれています!

ただ8%の雑誌も知ってるので、全てではないがだいたい10%ぐらいという認識でいいと思います。


たとえば単行本の値段が500円だった場合、10%であれば、
1冊当たり作者に入る印税は50円となります。


つまり発行部数が10万部な場合印税は

50✕100000となりますので

500万円作者に印税が入る事になりますね。
(ただし税金でだいぶ引かれる)


原作者、漫画家が別な場合、その10%の中で分けるという形になります。
これは仕事量、パワーバランス、知名度などなど色々事情があると思いますので比率が
5:5もあれば7:3などいろんな形があると聞いたことあります。


そして作家に優しいと感じる部分は、
印税が発生するのは発行部数であり売上ではないという事!!


これはどういう事かというと
1000部発行して800部しか売れなくても1000部は印税が発生するというシステムになってるわけです。
(当然売れ残りが多ければ次の初版は数が絞られる。。)


重版出来で漫画単行本は夢がある!

単行本が売れて発行分が足りなくなって来た場合、追加で増刷する事になります。
これが出版業界で編集も作家も幸せになれるといういわゆる魔法の言葉、

重版出来

となります!


ヒット作となれば、どんどん増刷がかかり、
最初は初版、重版がかかる事に
第2版、第3版、第4版とどんどん単行本の発行部数が伸びるわけで印税がそれだけ発生するわけです。


ちなみに単行本の増刷回数は最後にある奥付ページで確認することができます。

自分の大好きな漫画、スラムダンクの手元にある1巻を見た所21刷目のやつでした(笑)
超ヒット作ですが、とんでもなく増刷がかかってるのが分かります。

個人的な考えではありますが、やはり1冊で完結する小説等と比べ、この辺りは一作品に対して巻数を多く出せる漫画単行本の方が強いのかなーと感じてしまいます。


例えば10巻出した時に、アニメ化したとして人気になり増刷したとします。
その場合、最新巻の10巻だけ売れる。。
という事にはならないと思いますし、やはりストーリーを知りたいので過去の巻を辿って買う人が増える訳で、過去の巻も含め雪だるま式に増刷がかかる事もあり得る訳です。


そうゆう意味で、やはりストーリーものの連載漫画単行本は強いな、と考えてしまいますね。
ヒットさせるという事は、本当に並大抵の事ではないですが、やはり当たればデカい、夢があるのは間違いないでしょう!


まとめ

というわけで個人的見解を含めた

漫画家の収入の仕組み記事でした!


連載を経験するまでは正直

「漫画家は面白い漫画を描く事だけやればいい」

と考えてましたが、全然そんな事はなく漫画家は個人事業主と痛感させられ、仕事で漫画を描くということ、原稿料やら家賃やらアシスタント代やら経費もろもろお金事情などなど。。。


まー現実は色々大変な職業だなーと(笑)


ただ、漫画家は素晴らしくカッコイイ職業だと思いますし、今回の収入の事も含め、ヒットすれば沢山の人に自分の作品を見てもらえる、凄く夢がある仕事だと思います。


本当に漫画を描くのが好きな人、
そして才能がある人は挑戦する価値がある職業だと個人的には思います。

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